美樹「……鈴原恭介……どうしてここに?」
恭介「帰りがけに美樹さんを見かけたんですよ。 そしたら、コソコソと怪しい動きでどこかに
    行こうとしてたから……」
美樹「……もしかしてつけたんですか?」
恭介「つけたんじゃありません……ついてきただけです」
美樹「まさかとは思っていましたが、そんなストーキング行為を行う輩だったとは……」
恭介「そんな……別にストーキングとかじゃないですよ……」
美樹「!? そういえば貴方、毎日学校が終わると瑞希や有希の家の方向へ向かっていきますが、
   あれもストーキング行為では……」
恭介「あれは帰宅という行為です。ていうか一緒の家に住んでるんだから当たり前でしょう」
美樹「わかっています。冗談です」
美樹「それにしても、貴方……律儀にツッコミを入れるんですね。変わってると言われませんか?」
恭介「美樹さんほどには言われませんよ、たぶん」
美樹「そうですか。では変わってないということですね」

まったく、このひとは……。

恭介「ところで、美樹さんはこんなところに来て何をしてるんです?」
美樹「見てわかりませんか?」
美樹「このすっかり人間に依存して生きることを覚えたドメスティックアニマルに、知性の光りを灯して
   やろうとしていたのです」
恭介「……ようするに戯れてたってことですか?」
美樹「……貴方も知性の灯りが必要なようですね。 いつ誰がそんな事を言ったのですか」

……でも傍から見れば、戯れてるようにしか見えないんだけど。

美樹「まあいいです。貴方に知性を期待するのは間違いだと最初からわかってますから」
美樹「それよりもこの子です。まずは、自分が生物的に『ねこ』という存在であるという事実を教えて
   やらなければならないのですが……」
美樹「ねこー」
恭介「………………」
美樹「おーい、ねこねこー」
恭介「…………」
美樹「ねこー? 呼んでいるのが聞こえないのですかー?」

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